アンケートデータの解析技術

背景

マーケティングにおいて,企業が自社の製品やサービスに対する顧客の需要や評価を把握することは極めて重要である. 例えば,企業が新しい製品の開発をする際には,対象となる顧客の需要を理解した上で企画をし, また既製品に対する顧客の評価なども考慮して販売戦略が立てられる.このような市場調査の方法の1つがアンケート調査である. アンケート調査の形式には,評定尺度法やSD法のように評価対象に対する各質問項目に複数段階の評点を付けるものや, 自由記述文のように意見や感想などを随意に記入するものなどが存在する.これらのアンケートデータに統計的解析手法を適用することで, マーケティングにおいて有益な情報を得ることができる.

Visual Data Analyzer(VDA)

アンケートデータの解析では,1つの手法を適用して終わりということはなく,前処理→分類→分析のような一連の流れが存在する. これを踏まえて,本研究室では,主にアンケートデータを対象とした多変量データ解析ツールであるVisual Data Analyzer (VDA)を開発した. VDAでは,手法間の連携を意識した設計になっており,様々な角度からデータを解析することができる. また従来の多変量解析手法に加え,回答のまじめ度や関心度を考慮したデータの前処理手法や, 自由記述文に含まれる意見を可視化するHK-Graphなど本研究室で開発された手法も多く組み込まれている.VDAによるデータ解析フローのイメージを以下に示す.

共同研究

本研究室では共同研究先の企業を募集しています.アンケートデータをお持ちの方は,まずは,当研究室にデータ解析をお任せください. 共同研究は以下のような流れで進めさせていただきます.


推薦システム

背景

近年,インターネットの普及により電子商取引が増加しており,それに伴い,ECサイトでは膨大な数の商品を扱うようになってきている. そのため,それらの商品の中から,ユーザの嗜好にあった商品をユーザ自身で探し出すことが困難となり,推薦システムの利用が期待されている. 推薦システムを導入している代表的な例として,Amazon.com が挙げられる.商品ページに他のユーザが購入したおすすめ商品を提示し, 商品ページを閲覧しているユーザに推薦が行われている.

研究内容

オンラインショップで扱う商品数の増加により,ユーザの選択肢が広がる一方で,多くの商品から好きなアイテムを見つける必要がある. そのため,現在は様々な推薦システムが利用されている.推薦システムにおいて,推薦したアイテム数に対する, ユーザが好んだ/購入したアイテム数の割合である“精度” は,最も重要な評価指標の1 つである.しかし近年,ユーザ満足度の観点から, “精度” だけでなく,“意外性”に対する評価の必要性が指摘され始めている.本研究では,高い精度を保ちつつ,意外性を向上させる手法について検討している.

意外性とは何か.例えば,あるシリーズの第1巻を購入し,同じシリーズの第2-4巻が推薦された場合,意外性の高い推薦とはいえない. なぜなら,ユーザが続編に興味を持つ可能性があることは容易に想定できるためである.この例では,特徴が似ており, かつユーザ自身が見つけられないようなマイナーな本であれば,意外性の高い推薦になりうると考えられる.