教育支援ロボット

研究背景

近年,駅構内や科学館などを案内するロボットや,大学や博物館などで受付を行うロボットなど,実生活の場面でロボットを活用する試みが始まっている.その中でも,本研究では教育現場を想定し, そこで学習者の学習を支援するロボット「教育支援ロボット」に注目する. 学習が遅れている児童/自閉症スペクトラム障害児などに対する家庭学習の教育支援は, 日本に限らず海外でも重要視されている.教育支援ロボットは,これらのニーズに応えれるともに, ロボット工学と学習科学のさらなる発展に貢献できると期待されている.

学習者に共感して協調学習を行うロボットの開発

従来研究では,教師として振る舞う教師型教育支援ロボットが注目されている.しかしながら,子どもから高齢者まで幅広い教育支援のニーズに応えるには,学習者と協力して問題を解き合う協調学習を実現できるロボットこそが効果的であると考え,協調学習を行うパートナー型教育支援ロボットの研究を進めてきた. そして,学習科学や認知科学の知見を基に,学習者と交互に問題を解き合う協調学習を行う行動モデルを構築した. 実験を通して,行動モデルを搭載したロボットは,大学生と交互に問題を解き合う協調学習を実現できることを示唆した.

教育支援ロボットには,学習者がロボットとの学習に飽きるという問題がある. 本研究では,ロボットが学習者に共感することで,学習者にロボットが共に学習していると実感させ,飽きを防げると着想した. そこで人の感情を円環上に表したRussellの感情円環モデルを基に,新たに正解と不正解用の二つの感情ベクトルを用い,学習者の正誤に応じて共感するような表情を表出する手法を構築した.二つの感情ベクトルは,学習者の正誤判定と解答時間に応じて変動させることで, 学習者の学習経過に応じて,学習者に共感するような感情を表出することを可能にしている.

                

発達障がいグレーゾーン児の学習と心をケアするロボットの開発

本研究は,名古屋大学古橋研究室,中京大学加納研究室,名古屋工業大学中村研究室, 岐阜創発研究会「ひかりキッズ」との共同プロジェクトです. 発達障がいグレーゾーン児童が,ロボットを教育・世話することで,ロボットを成長させ, それによって自らの知的レベルの向上と他者とのコミュニケーション方法を学ぶLearning by teachingの実現を目指す.

                    

紹介ビデオ

世界初!「ひかりキッズ」ロボット開発共同プロジェクト始動 名古屋大学記者会見(2015年3月25日配信)


[ScienceNews2016]感情を読み取り・表現する 対話型ロボット(2016年1月22日配信)